時を忘れたい

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 日付が変わる頃、帰国の挨拶メールを送り始める。
 3時過ぎ、ようやくメールの第1次チェックの終了。
 電気毛布を入れた布団にもぐりこむ。
 ああ、あったかい。

 10時過ぎ、目が覚める。
 もうちょっと寝よう。今年は無理しないんだから。
 言い訳かなあ。
 12時過ぎ、朝刊を布団の中で読む。
 地震関連の記事がトップ。
 死が平等でないように、命も、生も、生活も平等ではないん
 だね。
 改めて生きるということの不条理を感じる。

 冷蔵庫の中は空っぽ。腹減ったなあ。
 でも、買い物に行く気もしない。
 帰国の挨拶メールを続ける。
 返信メールから、今朝は雪だったと知る。
 そうか、どうりで寒いわけだ。

 15時過ぎ、バイクの後部座席にボックスを取り付けに行く。
 と、雨が降ってきた。
 ちっ、なんでやねん。
 小雨の中、ボックス付けを終える。
 1ヶ月もエンジンをかけてなかった。
 果たして動くかな?
 セルを回すのは愚かやし。
 キックでエンジン始動を試みる。
 5分くらいキックを続けると、ブルンとマフラーから
 白煙が上がった。
 2~3分ほど、エンジンを暖める。

 食べていないのに、出るモノはでる。
 而して、昨日に続いて快便。はて、何で?

 フィルムをだしにプロラボへ・・・。
 その前に時間だけ営業時間を確認。

 挨拶メールと未読メールのチェックを続ける。
 18時過ぎ、100通を切ったところで買い物に行く。
 野菜を買おう。鍋を買おう。
 小さな一人用の土鍋を衝動買いしてしまう。
 こうやって、また新しい生活様式が始まるんだな。ほろり。
 椎茸、白菜、エノキ、うどん、豆腐、牛乳、食パン、
 シャビー麺の元、タマゴ、もやし、きくな、生ワカメなどを買う。
 白菜は高めの有機栽培モノ。
 タマゴが安くて嬉しい。
 魚も肉も控えよう。
 一人で野菜鍋をつつく也。
 そろそろ段ボール箱のテーブルは悲しすぎるから、
 ちゃんとしたテーブルを買いに行こう。
 帰国の挨拶の返信と共に雑誌の編集部から掲載打診が届く。
 あ、また忙しくなるのかな。
 取材の発表ができて、なおかつ、それで食ってるから
 嬉しいことなのに。
 松下竜一『底抜けビンボー暮らし』の最後、
 中村哲『辺境で診る、辺境から見る』の最後の部分を読む。
 時計が零時を回りそうになる。
 あ、主の居なかった住まいでも、掛け時計や目覚まし時計は
 正確に日本時間を刻み続けていた。
 そう、意識しようがしなくても、時間は過ぎていくのである。
 そんな時間に振り回されるのは、もうごめん。

 ビルマで、タイ国境で、生活するのに、そんなに時間なんて
 要らなかったじゃないか。
 が、でも、ここは日本か。
 でも、こうやって時間に拘泥することこそ、時間にとらわれ
 すぎているのか。
 ああ、時を忘れる時を過ごしたい。

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