<自分は自分の主人公?>

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 6時過ぎ起床。
 ゆっくりと新聞に目を通す。と、2時間が経ってた。
 もう一眠りしよう。
 10時過ぎ、起きる。
 暑いなあ。エアコンのスイッチを入れる。
 
 12時過ぎ、セールスの電話。また「奥さん居ますか」と。
 ったく失礼な電話が続く。
 寝起きにこれじゃあ、気分悪くなる。

 データベースにデータの入力作業。
 単調やな。
 でも、せなあかんし。
 ペチペチペチペチペチと砂をかむような作業を続ける。

 『街場のアメリカ論』を読み続ける。
 
 と、一体、自分はなにものなのか?
 ふと考える。自分が考える自分と、外(肉親、友人、仕事関係者)
 から見える自分の姿には開きがあるだろうなあ。

  男、独り者(一人者)、フリーランスフォトジャーナリスト、
  文句言い、金なし、友人少ない、冷たい、優しい、「群れる」
  のが嫌い、(ある意味)世捨て人、スケベ(?)、枯れている(?)、
  創造的な模倣人、43歳(?)、勝手、プログラム的、
  ゴール・オリエンティッド、ブックワーム、甘党、辛口、
 
 う~、このまま続けていったら、なんかとんでもないことを
 書きそうやな、自制。
 ふむ。

 でも、自分自分って、なんかイヤになってくる。
 そいや今月号のパースエクスプレスにこんな原稿を書いたっけ。
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 先日、なに気なく新聞を読んでいたら、ふと、「人生相談室」の
 記事が目に入った。そこには、勤め先をリストラされた46歳の
 男性からの投稿が載っていた。

  求職活動はしてますが、再就職のメドはたたず、「負け組」
  そのもの。惨めな男です。一度負けてしまうと、中年には
  浮上するチャンスがありません。残された道は自殺しかな
  いと思うのですが、私の考えはおかしいのでしょうか?」

 それに対して、創作家の明川哲也さんが、"あなたは人生の「主人公」"
 と回答を寄せている。

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  ハリー・ポッターは、親を殺された上、単身その敵と戦わなけれ
  ばならなかったから苦しかった。

  ロッキーはチャンスに恵まれず、・・・。
  ローマで休日だったアン王女は、・・・。
  仮面ライダーは、毎週怪人が出てくるから苦しかった。
  ベルリン天使は、・・・。
  寅さんは、・・・。
  ニューシネマパラダイスは、・・・。
  バカボンはパパがあんなふうだし、冬でも浴衣なので苦しかった。
  みんな苦しかった。主人公だから苦しかった。逆境もない主人公
  なんて、物語の歴史にはただの一人もいないから。あなたもきっ
  と苦しい。なぜならあなたは主人公だから。あなたの人生の主人
  公だから。・・・・・。」
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 この「人生相談室」の記事の2週間ほど前、、同じ新聞に次のような
 広告が載って いた。旅行社の広告であったが、その謳い文句を憶え
 ていた。

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  「韓国では、あなたが主人公です」-「ありがとう韓流」-
  「韓国に着いたとたん、あなたは旅行者から映画やドラマの
  主人公に変わります。
  あのとき観た美しい風景の中で、主人公の感情やできごとが、
  まるで自分のこと のようによみがえる。・・・・・。」
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 人生の主人公、(人生をドラマ立てにした)物語の主人公って
 どういう意味 なんだろうか。それほどまでに自分を中心に世界
 を生き抜きたいのか。何か引っかった。

 そう考えていたら、ずっと昔に読んだ、別の新聞記事を思い出した。
 1992年、今から15年前の新聞の切り抜きを引っ張り出した。

 河合隼雄さんの「おはなしおはなし」というエッセイである。
 その中で河合さんは、重傷筋無力症という病を患った江崎雪子
 さんの『きっと明日は』という闘病記を取り上げていた。

 デパートの屋上から淋しい公園へと移された黒い木馬と猫の物語
 である。この物語の主人公は、黒い木馬であり、猫との関わり合
 いから、いろいろな事を経験する展開になっている。

 だが、この物語を読んだ小学生は、主人公の黒い木馬よりも猫の
 方に感情移入していく。

 そこで河合さんは続ける。
 「主人公というものはたとえ一番よく活躍するとしても、一番大切
 な存在ではないのだ、ということである。一番大切な存在は、作品
 の主人公にはなり得ないのではなかろうか、・・・・・。」

 「人間の人生をひとつの物語として見ることは、意義深いことと
 思っている。自分の人生を物語としてみるとき、さしずめ『主人公』
 は自分ということになるが、それが一番大切な存在ではないことを
 知ることによって、その物語が深みをもつのではなかろうか。

 ・・・・・。自分よりも大切な存在とは何かを常に問いかける姿勢
 を持ち続けることによって、たとえ答えは簡単に出て来ないとしても、
 人生が豊かになると思われる。」


 最初の「人生相談室」に戻る。
 確かに人生は楽しいことばかりではなく、苦しみや悩むの連続で
 ある。仕事・人間関係・家族・経済的事情、毎日の暮らしの中で、
 時に、なんで生きているのだろう、と思ってしまうこともあるかも
 知れない。

 でも、よくよく考えると、この世に世を受けたのも、そして、寿命
 が尽きて死に行くときも、(自殺をしない限り)、決して生きている
 ことは自分の意志だけで行っているわけではない。

 どこかで自分以外の、おそらくは人間の意志を越えたものによって
 支配されていると考えざるを得ない。もっとも、決して、宗教的に
 なりたいのではない。

 例えば、自分の経験に照らしてみると、ジャングルの中で、なかなか
 言葉では表現できない過酷な取材をしたことがある。山から下りて
 町に戻って来た。肉体的にも精神的にも緊張が続いていた。ふと、
 その緊張の糸が切れたのか、自分が自分でなくなっていた。

 するとどうだろう、見るもの、自分の目に映るすべてのものが美しく、
 躍動感あるものに見え始めたのだ。

 信号機が赤から青に変わるのを見て、「おおっ」と思い。道行く
 人や立ち止まっている人を見るだけで楽しくなる。その時、自分が
 立っていたアスファルトを見つめた。そんなありふれたアスファルト
 でさえ、工事をしてくれる誰かの手を経ているのだなあ、と思って
 しまう。

 市場で野菜や肉、果物を売っている人たちを見るだけで、そうやって
 みんな売り買いを通して支え合っているんだな、と思い。自分の
 肩に担いでいるカバンを見ては、カバンを作る人、運ぶ人、はたまた
 カバンを縫う糸を作った人の存在さえも感じとっていた。

 ほんとうに陳腐な表現になるが、自分は自分意志や能力で生きて
 いるつもりで、文句・不平・批判を言いながら、結局は自分以外の
 誰かのお世話になっているんだと感じ入ってしまったのだ。

 そりゃ、世の中不条理なことや不公平なことは山ほどあるが、それ
 に否が応でも対処していかなければならないのが人の道でもある。
 その際、どういう態度で、退屈な日々に向かい合っていくのか。
 そこが考えどころであろう。

 もちろん、毎日手を合わせて、感謝の気持ちを持ち続けるべきだと
 言っているのではない。

 自分の存在は、自分のためだけにあるのではなく、もしかしたら
 他の誰かの脇役を演じているのではないかと思うことで、少しは、
 肩肘張った生き方から解放されるのではないのか。前向きに生きる、
 主体的に生きる、目標を持って生きるという、教科書的な生き方
 からちょっと外れることができるのではないか。

 おそらくは、自分の人生の主人公は自分であるという考えにこだ
 わっている限り、そして、自分は自分のために存在しているという、
 目先のことだけに囚われている限り、苦しみの軛から逃れることは
 出来ないのではないか。

 ちょと人生の主役から降りてみません、と思ってしまう。
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 と、明日からビルマに行く(一年間も)NE子から電話あり。
 ふふ、ちょいと感傷的になった?
 まさか、ね。
 しばしぐっちゃら。

 DVDで "NO MAN'S LAND" を見る。
 あまり期待していなかったのだが、なかなか面白い。
 これは○Pですね。

 22時半過ぎ、運動不足を解消のため、近くのミニコープまで
 歩いて行く。散歩のお供はMP3に70年代のフォークを入れて。
 おお、餃子が安い。牛肉も安い。
 ぬるい空気の中を歩いて帰る。

 もう寝よう。
 洗濯したばかりのシーツやタオルケット代わりのシーツは、パリパリ
 して気持ちいい。シーツを抱きしめて、思わず snuggle ですね。
 うん。

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