関東在住の若者から質問がきた。
めずらしく、きちんと自分の身分と名前を名乗っていた。
それゆえ、私もできる限り自分の感じる所を答えてみた。
( 本人の承諾を得て、名前などは ▓▓ としてオープンしました )
名前:YY
タイトル:【質問】フォトジャーナリストの限界、転職時の思い等に関して
初めまして。
▓▓ 大学 ▓▓ 部3年に所属しております、YYと申します。
いつもblogを楽しく拝読させて頂いております。
今回は、誠に恐縮ですが、フォトジャーナリストという職業に関して
質問をさせて頂きたく当フォームを利用しメールを送信させて頂きました。
長文となってしまいますが、お時間のある際にでもお読み頂けると幸いです。
( <相談の前にー> のエントリーは読ませて頂きました。)
私は「貧困に喘ぐ人々を救うために尽力したい」という青臭い動機のもと、
大衆を喚起するジャーナリズムのレバレッジ的な働きと、ヴィジュアルで
受け手のリテラシーに関わらず鮮明に訴えることのできる写真の効果の
融合に感銘を受け、フォトジャーナリストという進路を将来の指針の一つ
として考えています。
また、写真が好き、海外が好き、という志向も多分に影響しております。
そして、そのために大学のゼミでは開発経済学を学び、またglobalな
コミュニケーションスキルを身につけるべく、学部レベルでの日本よりも
相対的に専門度が高いジャーナリズムを学ぶべく、学内の交換留学制度を
利用し今秋より ▓▓ のUniversity of ▓▓ への一年間の留学を予定しております。
このように、私はフォトジャーナリストを目指して活動してきました。
しかし、▓▓ でのボランティア等を通じて現場で活躍する方々の声を聞く中で、
フォトジャーナリズムの影響力の限界を感じたのも事実です。
また、多くの意見を聞けば聞く程、フォトジャーナリズムや現地での
ボランティア等の草の根活動によるbottom up的な開発援助では大きな
影響力を与えるのは難しいのではないか、とも案じるようになりました。
また、思慮を巡らせた結果、"写真を通じて大衆を喚起しよう"という私の
考えは、援助を他人任せにし、自分は海外の貧困地域へ行って写真を撮る
という一種の"かっこよさ"による自己実現を目指していたのではないか、
とも自覚しています。
そこで、二つの他のアプローチについて考えています。
一点目は、top down的な開発援助です。例えば、政府規模での円借款による
開発援助もしくは大手商社や鉄鋼企業の社員として、現地でプラントや
インフラを建築することで雇用創出を達成することです。
二点目は、非営利セクターで大規模な援助を展開することです。
やや抽象的な議論となってしまいますが、top downとbottom upの双方の
利点を活かし、また双方の欠点を改善したマネジメント手法を考えています。
世間一般では社会起業家、NPOという区分かと思います。
そして、この点がフォトジャーナリストとして活躍することと同様に将来を
考える際の軸となっています。
以上の論理から、今後は非営利セクターの組織においても大きな影響力を
与えることのできるスキルを身につけるべくビジネスライクな学習にも
励みながら、自身のフォトジャーナリストへの志望度を再確認しようと
考えています。具体的には、留学先のアメリカでは学業に勤しむ一方で
規模の大きなNPOでのインターンにも挑戦し、留学を終えた後は、アフリカ
中東南米をカメラと共に数ヶ月間周遊し、フォトジャーナリストの疑似体験を
行おうと考えております。
さて、ここまで読んでの私(宇田)の感想です。
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| フォトジャーナリストになりたという動機は、全然、青臭くないです。
| むしろ現実や現場を知るに連れ、失われていってしまう意気込みですので、
| 是非、このような動機を持ち続けて欲しいと思います。
|「▓▓ でのボランティア等を通じて現場で活躍する方々の声を聞く中で、
| フォトジャーナリズムの影響力の限界を感じたのも事実です。」という
| 文面から、実際に自分の意思や計画で現場に出ていないうちから、どうして
| このような判断に至ったのか、全く理解できませんでした。
| あと、「二つの他のアプローチについて」ですが。
| これらは、現地の人が望んでいることに基づいての判断なのでしょうか?
| どうも、言葉が悪いですが、「上からの視点」が感じられます。
| 現地の人は、自分の希望や夢を叶えるための舞台ではありません。
| アフガニスタンに関わる中村哲さんの《事実を伝えることさえ「売れる商品」
| に仕立てる風潮の中で》《「現地は外国人の活躍の場ではなく、ともにあゆむ
| 協力の現場である」》という言葉を、ジャーナリストは噛みしめるべきだと
| 思ったりします。
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以上が私が現在抱える問題意識と今後の展望です。
そこで、宇田様に以下の点に関して伺いたいと思います。
1)実際に現場で活動されていて、上記で述べたような"フォトジャーナリズムの
影響力の限界"というものを感じることはありますでしょうか。
| フォトジャーナリズムという仕事だけでなく、人間の営みには
| ほとんど全てに限界を感じることがあると思います。
| “だから何?”っていうのが正直な気持ちです。
| 影響力が出るのは、運が良ければすぐに、そうでなければ数十年を
| 待たなければならないかもしれません。
| 即効性のある結果は、人間の営みには少ないのではないでしょうか。
| 自分が取材した成果の「発表を目標」とするのなら、また別の話かも
| 知れませんが。
| 「世の中を変える」というのは、思いとしてはよいかも知れませんが、
| 私自身はそこまで思い至りません。
| だからこそ、自分のウエブのトップページにはこのように記しています。
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| Abbas says, "Some people think that photojournalists can change
| the world with their pictures, but the only thing we can do is to
| show why the world must be changed...."
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また、実際に宇田様の撮影された写真によって、一時的な同情ではなく、
実際の行動を誘発できた具体的な経験がありましたらお教え頂きたいです。
もしくは、そもそもこの考え方自体が誤りでしょうか。
| 質問は答えを限定します。この質問はその例にもれません。
| 自分自身、「この考え方自体が誤りなのでしょうか」という自問を
| しているところから、答えは分かっているのではないでしょうか。
| なのに、それでも質問するのはどうしてだろうか、と思いました。
| 質問へのお答えは、イエスでありノーです。
| その具体例は、実際に自分でその成果を目の前にできない(体験できない)
| という素晴らしさです。
2)教員という地位を捨ててまでフォトジャーナリストとなった過去から
推測するに、並々ならぬ情熱があったのかと思います。しかし、スタートが
遅れた原因はどこにあるのでしょうか。教員就任当初は諦めかけたが、
やはり情熱が消えることはなかったということでしょうか。
もしそうでしたら、教員就職時の思い、転職時の思い、をお教え頂けますで
しょうか。
| 「教員という地位」(?)を「捨てる」(?)という意味が分かりませんでした。
| あと、それ以上に、この質問の意味自体が理解できませんでした。
| YYさんが目指そうとしている(?)フォトジャーナリストへの進路と、
| 私(宇田)の経歴がどういう風に重なるのか?
| また、私自身「スタートが遅れた」とも正直思っていません。
| 個人的に、実際にYYさんがフォトジャーナリストとして仕事をするように
| なってからこの質問をしてもらえれば答えることができると思います。
私も現時点で最良の選択肢を採択できなければ将来宇田様と同様に進路変更に
悩む時期が来てしまうのではないか、と考えています。
| 「最良の選択肢」とは?
| どうやら、自分の進路選択に間違うこと、それ自体に躊躇をしている感じがします。
| 間違ったと思ったら、その時点でやり直せばいいと思うんですが。
| おかしいな、と思ったら、修正すればいいんじゃないですか。
| そんなこと指摘されなければならないこと自体、おかしいんじゃないですか。
| 私は教員を辞める時には、周りに迷惑をかけて申し訳ないという部分を
| 除いて、特に悩んだ覚えはありません。
| 自分がやりたいと思っていることをするのに、どうして悩むのでしょうか?
3)上記の通り、"フォトジャーナリストの疑似体験をする"という計画があり、
所詮学生という弛緩した身分ではありますが、その際には特にフォトジャーナリスト
ならではの苦しみ、やりがいを体感したい考えております。
| "フォトジャーナリストの疑似体験をする"の「疑似体験」とは?
| なにやら「逃げ道」らしきものを作っておくのは、(これもきつい言い方かも
| 知れませんが)おかしいです。
| もし、実際に現場に出て取材活動をするようになれば、現地の人は自分の
| 取材体験の材料ではないのですから。
そこで、宇田様の経験から、「フォトジャーナリストになりたいならこれくらいは
経験しておいたほうがいい」というような事例がありましたらお教え頂きたいです。
| たくさん間違えて、たくさん失敗して、周りに迷惑をかけて恥じ入って、
| そこから学ぶ取る姿勢を身に付けておくことでしょうか。
| また、健康な身体を維持するためにはどうすればいいのか、時に考えて
| みることでしょうか(自らの反省も含めて
| 思うに、YYさんは、自分が仕事を選ぶという意識があるようですが、
| 私の経験から思うに、実際には、仕事の方が私を選ぶ ということです。
| 仕事に自分を(私を)選んでもらえなければ、どうにもなりません。
ご多忙中かとは思いますが、また浅薄な学生による退屈な質問かとは思いますが、
よろしければお時間のある際に簡潔にでもお答え頂けると幸いです。
| 頑張ってください。
時折、いくつかメールで質問が寄せられる。
だが、その多くが、答えようのないモノばかりである。
名前がない、連絡先がない、題名がないなど。
そのようなお気軽メールは原則、私の目には触れません。
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