ジャーナリズムの最近のブログ記事

「ジャーナリズムフェスタ2010」開催

 「ジャーナリズムフェスタ 2010」の第2部で、
 ビルマのこと、ジャーナリズムのことを話をします。

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"Journalism Festa 2010"

  ─デジタルメディアでジャーナリズムは進化するか?─
 
 「ジャーナリズムフェスタ2010」では、デジタルメディアが拡大、
 進化する一方で、多様化と個人化がより一層進むというメディア変革期を
 迎えたいま、独立系の表現者にとってこの機をチャンスとすることが
 できるのか、またチャンスとするために必要なことは何かを探ります。

 http://journalism-festa.com/

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 2010年11月27日(土) 12:00~20:00(開場12:00)
 大阪市立住まい情報センター 3階ホール
 大阪市北区天神橋筋6丁目4-20
 定 員: 300名
 参加協力費: 一般1,000円、学生500円 入替えなし、入退場自由
 主 催:ジャーナリズムフェスタ2010実行委員会
 協 賛:アジアプレス大阪事務所、新聞うずみ火、
     自由ジャーナリストクラブ(JCL)、
     DAYS JAPAN関西サポーターズクラブ
 後 援:ジャーナリスト・ネット
 協 力:市民社会フォーラム
 お問合せ : アジアプレス大阪事務所
 Tel(06) 6373-2444  e-mail info@journalism-festa.com
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日本におけるビルマ報道


 ビルマの選挙日が11月7日と決まった。

 さて、今後、ビルマに関して、どんな報道が日本でなされるのやら。
 それを思うとちょっと気が重い。

 その私の気分をまさに代弁してくれている本があった。
 永井浩『アジアはどう報道されてきたか』(筑摩書房、1998年)である。
 
 永井氏の著作から、ちょっと長いが、その内容を書き抜きしてみた。
 ( 縦書きを横書きに。また、ウエブで読み易いように改行した )
 
 本文中に、私の知り合いの記者氏の名前も出ていた。
 個人的な友人ではあるが、仕事はまた別の話と言うことで、もちろん、
 そのまま引用した。

 
 永井氏がこの本を書いてから、ゆうに10年以上が経った。
 
 だが、ビルマを巡る情況は変わっていない。
 もちろんビルマに関する報道も、ほとんど変わっていない。

 私自身、在バンコク大手メディアの特派員氏に知り合いもたくさんいる。
 ( その多くの記者は当然、大体3年ほどで日本に戻ってしまうけど・・・。 )
 その仕事振りも、じっくりではないが、いくつか見てきた。 
 
 そこでやっぱり、この抜き書きした部分が、まだまだ当てはまるんだなあ
 と思った次第である。
 
 もちろん、以下の文章は、自分自身の取材についても突きつけられたことである。



 民主派 VS 軍事政権─対立のポイント

 以上の経過をみただけでも、軍事政権がいかに国民の民意を反映しない政権であるかは
 はっきりしている。

 にもかかわらず、NHKの番組は、この政治的合法性を欠いた政権とそれに近いひとにぎりの
 エリートのみによって、軍事政権の経済政策をひあすらバラ色に描きあげようとする。

 「民主化なくしては健全な経済発展はありえない」というアウンサンスーチーさんの主張や、
 彼女たちの民主化運動を支持する圧倒的多数の国民が軍事政権の自画自賛する
 経済開発の成果をどのように受けとめているかは黙殺される。

 だがこのような偏向報道は、NHKの「開かれた黄金郷」だけに限らない。この番組に
 みられるような基本姿勢はほかのメディアのビルマ報道にも、濃淡の差はあっても一本の
 赤い糸のようにつらぬかれているのだが、それを検証する前に、民主化勢力と軍事政権の
 主張にもういちど耳をかたむけておこう。

 
 両者の最大の対立点は、経済発展と民主化・人権の関係である。
 
 私がアウンサンスーチーさんの口から直接、民主化陣営の考えを聞いたのは、彼女が
 自宅軟禁を解かれてから二ヵ月後の一九九五年九月のことだった。

 彼女はひさしぶりに見聞したヤンゴン市内の様子についての感想などをまじえながら、
 「経済発展には民主化が不可欠」という持論をあらためて強調した。

 「国民の生活は苦しく、人々は政治にさまざまな不満をいだいています。でもそれを自由に
 口に出すことはできない。そのような政権のもとでは、国民は政府に対して受け身の協力
 しかしようとしません。政治への信頼が確立されなければ安定した経済発展は望めません。
 最大の課題は、民主主義を回復し、国民の政治への信頼をとりもどすことです。軍人が
 政権の座につくまでのビルマは、東南アジアでもっとも発展する国でした」

 
 これに対して軍事政権は、ビルマの最優先課題は経済開発であって、民主主義は二の次
 だと主張する。しかもその舵取りができるのは、軍人だけである。ほかのアジア諸国も
 
そうやって現在の経済発展を達成してきた。

 アウンサンスーチーは自国の現実を知らずに民主主義という欧米の価値観を直訳的に
 適用しようとする外国の手先、国歌の破壊分子である。軍事政権はこうした理屈をならべて
 彼女の政治活動を封じ込めるために、自宅軟禁という強硬措置にでたのである。


 メディアはNLD弾圧をどう報道したか

 では、「開かれた黄金郷」以外の日本のメディアは、このようなビルマの現実をどんな
 視点から報道しているだろうか。

 軍事政権と民主化勢力との攻防を公正・中立な立場から客観的に伝えているだろうか。
 答えは、すでにふれたように、ほとんどのメディアもNHKと基本的にかわらない。

 まず、軍事政権の誇示する「めざましい経済発展」をなんの疑いもない既定事実として
 うけいれる。

 そして民主化運動弾圧に問題がないわけではないが、軍事政権は経済発展や少数民族
 との和平交渉ではそれなりの成果をあげていて、しだいに国民の支持を得つつあるという
 ものだ。

 一九九六年五月のNLD議員らの一斉逮捕をめぐってビルマ情勢があらためて大きく
 取りあげられたときが、その典型だった。


 読売新聞は、「民主化・安定・発展の三者を同時にかつバランスよく追求することは、
 ミャンマーのように軍部が権力を握る国では、難しい課題」であると書いた。

 TBS『ブロードキャスター』の嶌信彦キャスターは「フィリピンが民主化するとASEANで
 いちばん経済が遅れてしまったのに対して、ほかのASEAN諸国は独裁的な手法で経済を
 発展させた」と強権政治を肯定した。

 そしてこうした主張の裏付けとして、「開かれた黄金郷」と同じような軍事政権の成果が
 あげられる。


 だから、軍事政権の強硬姿勢の背景には「順調な経済発展」への自信(読売新聞)が
 あるとされる。「強気の裏に経済成長」(朝日新聞)「市長経済で民主化封じに自信
 (毎日新聞)と各紙とも同じような見方だ。

 テレビも「経済的にそこそこ上向きになって安定したことに対する軍事政権の自信」
 (TBS・福島功男キャスター)

 「スーチーさん批判が出てきたことも事実」(NHK「クローズアップ現代」原正年バンコク
 特派員)「弾圧を知った一般市民が、安定を捨ててまで、ふたたび立ち上がるでしょうか」
 (日本テレビ・庭野めぐみバンコク特派員)といった調子である。

 
 経済発展によって国民の政治離れがすすみ、民主化運動の中核だった学生もノンポリ化
 してきたという解釈なのである。だが本当にそういえるのだろうか。
 

 ビルマ現地の声を聞く

 たしかに、「開かれた黄金郷」でも放映されたように、ヤンゴンにはホテルやオフィスビル
 などの高層ビルがつぎつぎに建設されている。政府発表によれば、一九九三年以来の
 国内総生産は年間五~一〇パーセントの高さを示している。

 
外国からの投資も順調に伸びているとされる。ディスコに通う若者がいるし、外国のブランド
 製品をあつかう店も生まれた。

 だが問題は、一般市民の大半がそれによって豊かさを実感できず、現在のビルマが「黄金郷」
 だと思っていなければ、軍事政権を支持していないという事実である。

 ・・・・・・。

 軍事政権のたびかさなる民主化勢力への弾圧は、けっして「順調な経済発展」への自信の
 あらわれではなく、逆に悪化する経済への国民の不満の高まりと、それが民主化運動に
 結びつくことをおそれての結果にすぎない、と私は理解している。

 私の知るかぎり、日本以外の世界のメディアもほとんどそのように報道している。


 日本の報道がいかに的外れであるかは、日本の新聞・テレビによれば経済が発展して
 政治離れがすすんできたはずの学生が、その報道の数ヵ月後の十月から数度にわたって
 反軍政をさけんで街頭デモをくりひろげたことでも証明された。

 一般市民のなかにも、学生たちを直接間接に支援する動きが見られたという。


 ビルマの事情に精通したある外国人ビジネスマンは私に、「もしいま、秘密が保障された
 公正な選挙が行われれば、やはりNLDが勝利するのはまちがいないだろう」と断言した。


 もちろん、日本の新聞やテレビのビルマ報道がすべて偏向しているわけではない。
 すぐれた報道や解説もないわけではない。

 テレビ朝日の末延吉正記者の『ニュースステーション』でのリポートは、軍事政権による
 一連の民主化運動弾圧を「本格的な民主化の動きを軍事政権がおそれた」ものととらえ、
 それを裏打ちする数々の事実を精力的な取材と躍動感あふれる映像で伝えた。

 「生存権さえ保障されていない」ビルマ民衆の声を拾い集め、日本の対ビルマ政策の変更を
 せまった毎日新聞の大野俊記者の「記者の目」も印象に残った。

 高坂正堯・京大教授はあるテレビ番組で、軍事政権をしきりに擁護するタレント政治学者の
 桝添要一氏に対して、軍の政治への大幅な関与を明記した新憲法草案の内容などを指摘
 して「こんな政権は現在の国際社会には通用しない」と反論していた。

 ビルマ研究者による的確な解説もときおりは登場する。


 だが大手メディアの基本的なスタンスは、いまみたとおりである。

 ではなぜ、ビルマの現実からかけ離れた情報がこうも堂々とまかり通るのだろうか。

 それは、多くの記者たちが、自分の足と耳と目をたよりに、現場でさまざまな事実をたんねんに
 拾い上げていくなかでビルマの現実を判断していく、というジャーナリストとしての基本作業を怠り、
 日本人特有のステレオタイプな見方に基づいて取材対象をつごうよく裁断しようとするためでは
 ないかと思われる。


 「開発独裁」というステレオタイプ

 ・・・・・・。

 そもそもビルマ国民の多くは軍事政権の市場経済化政策を、国民を豊かにするためのもの
 とはみていない。彼らからみれば、軍事政権は一九八八年に登場したのではなく、一九六二年
 以来ずっとつづいているのである。

 そして軍人に経済運営の能力がないことも証明ずみである。

 にもかかわらず彼らが経済発展を旗印にかかげはじめたのは、政治的合法性を欠いている
 ために、なんとかそれをカバーして国民の支持をつなぎとめる手段が必要だったからにすぎない。

 つまり自らの延命のためである。そしてそれは同時に、軍人たち特権層のふところも肥やして
 くれる。一石二鳥なのだ。

 (PP.107-118)


仕事が私を選ぶ-質問に寄せて


 関東在住の若者から質問がきた。

 めずらしく、きちんと自分の身分と名前を名乗っていた。
 それゆえ、私もできる限り自分の感じる所を答えてみた。
 ( 本人の承諾を得て、名前などは ▓▓ としてオープンしました )
 


 
 名前:YY
 タイトル:【質問】フォトジャーナリストの限界、転職時の思い等に関して

 初めまして。
 ▓▓ 大学 ▓▓ 部3年に所属しております、YYと申します。
 いつもblogを楽しく拝読させて頂いております。

 今回は、誠に恐縮ですが、フォトジャーナリストという職業に関して
 質問をさせて頂きたく当フォームを利用しメールを送信させて頂きました。
 長文となってしまいますが、お時間のある際にでもお読み頂けると幸いです。
 ( <相談の前にー>
のエントリーは読ませて頂きました。)


 私は「貧困に喘ぐ人々を救うために尽力したい」という青臭い動機のもと、
 大衆を喚起するジャーナリズムのレバレッジ的な働きと、ヴィジュアルで
 受け手のリテラシーに関わらず鮮明に訴えることのできる写真の効果の
 融合に感銘を受け、フォトジャーナリストという進路を将来の指針の一つ
 として考えています。
 また、写真が好き、海外が好き、という志向も多分に影響しております。

 そして、そのために大学のゼミでは開発経済学を学び、またglobalな
 コミュニケーションスキルを身につけるべく、学部レベルでの日本よりも
 相対的に専門度が高いジャーナリズムを学ぶべく、学内の交換留学制度を
 利用し今秋より ▓▓ のUniversity of ▓▓ への一年間の留学を予定しております。

 このように、私はフォトジャーナリストを目指して活動してきました。
 しかし、▓▓ でのボランティア等を通じて現場で活躍する方々の声を聞く中で、
 フォトジャーナリズムの影響力の限界を感じたのも事実です。

 また、多くの意見を聞けば聞く程、フォトジャーナリズムや現地での
 ボランティア等の草の根活動によるbottom up的な開発援助では大きな
 影響力を与えるのは難しいのではないか、とも案じるようになりました。

 また、思慮を巡らせた結果、"写真を通じて大衆を喚起しよう"という私の
 考えは、援助を他人任せにし、自分は海外の貧困地域へ行って写真を撮る
 という一種の"かっこよさ"による自己実現を目指していたのではないか、
 とも自覚しています。

 そこで、二つの他のアプローチについて考えています。

 一点目は、top down的な開発援助です。例えば、政府規模での円借款による
 開発援助もしくは大手商社や鉄鋼企業の社員として、現地でプラントや
 インフラを建築することで雇用創出を達成することです。

 二点目は、非営利セクターで大規模な援助を展開することです。
 やや抽象的な議論となってしまいますが、top downとbottom upの双方の
 利点を活かし、また双方の欠点を改善したマネジメント手法を考えています。
 世間一般では社会起業家、NPOという区分かと思います。
 
 そして、この点がフォトジャーナリストとして活躍することと同様に将来を
 考える際の軸となっています。

 以上の論理から、今後は非営利セクターの組織においても大きな影響力を
 与えることのできるスキルを身につけるべくビジネスライクな学習にも
 励みながら、自身のフォトジャーナリストへの志望度を再確認しようと
 考えています。具体的には、留学先のアメリカでは学業に勤しむ一方で
 規模の大きなNPOでのインターンにも挑戦し、留学を終えた後は、アフリカ
 中東南米をカメラと共に数ヶ月間周遊し、フォトジャーナリストの疑似体験を
 行おうと考えております。


 さて、ここまで読んでの私(宇田)の感想です。
 --------------------
 | フォトジャーナリストになりたという動機は、全然、青臭くないです。
 | むしろ現実や現場を知るに連れ、失われていってしまう意気込みですので、
 | 是非、このような動機を持ち続けて欲しいと思います。
 
 |「▓▓ でのボランティア等を通じて現場で活躍する方々の声を聞く中で、
 | フォトジャーナリズムの影響力の限界を感じたのも事実です。」という
 | 文面から、実際に自分の意思や計画で現場に出ていないうちから、どうして
 | このような判断に至ったのか、全く理解できませんでした。
  
 | あと、「二つの他のアプローチについて」ですが。
 | これらは、現地の人が望んでいることに基づいての判断なのでしょうか?
 | どうも、言葉が悪いですが、「上からの視点」が感じられます。
 
 | 現地の人は、自分の希望や夢を叶えるための舞台ではありません。
 | アフガニスタンに関わる中村哲さんの《事実を伝えることさえ「売れる商品」
 | に仕立てる風潮の中で》《「現地は外国人の活躍の場ではなく、ともにあゆむ
 | 協力の現場である」》という言葉を、ジャーナリストは噛みしめるべきだと
 | 思ったりします。
 --------------------

 
 以上が私が現在抱える問題意識と今後の展望です。
 そこで、宇田様に以下の点に関して伺いたいと思います。

 1)実際に現場で活動されていて、上記で述べたような"フォトジャーナリズムの
 影響力の限界"というものを感じることはありますでしょうか。
 
 | フォトジャーナリズムという仕事だけでなく、人間の営みには
 | ほとんど全てに限界を感じることがあると思います。
 | “だから何?”っていうのが正直な気持ちです。

 | 影響力が出るのは、運が良ければすぐに、そうでなければ数十年を
 | 待たなければならないかもしれません。
 | 即効性のある結果は、人間の営みには少ないのではないでしょうか。
   
 | 自分が取材した成果の「発表を目標」とするのなら、また別の話かも
 | 知れませんが。

 | 「世の中を変える」というのは、思いとしてはよいかも知れませんが、
 | 私自身はそこまで思い至りません。
 | だからこそ、自分のウエブのトップページにはこのように記しています。
  --------------------
 | Abbas says, "Some people think that photojournalists can change
 | the world with their pictures, but the only thing we can do is to 
 |   show why the world must be changed...."
      --------------------

 
 また、実際に宇田様の撮影された写真によって、一時的な同情ではなく、
 実際の行動を誘発できた具体的な経験がありましたらお教え頂きたいです。
 もしくは、そもそもこの考え方自体が誤りでしょうか。

 | 
質問は答えを限定します。この質問はその例にもれません。
 | 自分自身、「この考え方自体が誤りなのでしょうか」という自問を
 | しているところから、答えは分かっているのではないでしょうか。
 | なのに、それでも質問するのはどうしてだろうか、と思いました。

 | 質問へのお答えは、イエスでありノーです。
 | その具体例は、実際に自分でその成果を目の前にできない(体験できない)
 | という素晴らしさです。


 2)教員という地位を捨ててまでフォトジャーナリストとなった過去から
 推測するに、並々ならぬ情熱があったのかと思います。しかし、スタートが
 遅れた原因はどこにあるのでしょうか。教員就任当初は諦めかけたが、
 やはり情熱が消えることはなかったということでしょうか。

 もしそうでしたら、教員就職時の思い、転職時の思い、をお教え頂けますで
 しょうか。

 | 「教員という地位」(?)を「捨てる」(?)という意味が分かりませんでした。

 | あと、それ以上に、この質問の意味自体が理解できませんでした。
 | YYさんが目指そうとしている(?)フォトジャーナリストへの進路と、
 | 私(宇田)の経歴がどういう風に重なるのか?

 | また、私自身「スタートが遅れた」とも正直思っていません。
   
 | 個人的に、実際にYYさんがフォトジャーナリストとして仕事をするように
 | なってからこの質問をしてもらえれば答えることができると思います。


 私も現時点で最良の選択肢を採択できなければ将来宇田様と同様に進路変更に
 悩む時期が来てしまうのではないか、と考えています。

 | 「最良の選択肢」とは?
 | どうやら、自分の進路選択に間違うこと、それ自体に躊躇をしている感じがします。
  
 | 間違ったと思ったら、その時点でやり直せばいいと思うんですが。
 | おかしいな、と思ったら、修正すればいいんじゃないですか。
 | そんなこと指摘されなければならないこと自体、おかしいんじゃないですか。
  
 | 私は教員を辞める時には、周りに迷惑をかけて申し訳ないという部分を
 | 除いて、特に悩んだ覚えはありません。
 | 自分がやりたいと思っていることをするのに、どうして悩むのでしょうか?
 
  
 3)上記の通り、"フォトジャーナリストの疑似体験をする"という計画があり、
 所詮学生という弛緩した身分ではありますが、その際には特にフォトジャーナリスト
 ならではの苦しみ、やりがいを体感したい考えております。

 | "フォトジャーナリストの疑似体験をする"の「疑似体験」とは?
 | なにやら「逃げ道」らしきものを作っておくのは、(これもきつい言い方かも
 | 知れませんが)おかしいです。
  
 | もし、実際に現場に出て取材活動をするようになれば、現地の人は自分の
 | 取材体験の材料ではないのですから。

  
 そこで、宇田様の経験から、「フォトジャーナリストになりたいならこれくらいは
 経験しておいたほうがいい」というような事例がありましたらお教え頂きたいです。
 
 | たくさん間違えて、たくさん失敗して、周りに迷惑をかけて恥じ入って、
 | そこから学ぶ取る姿勢を身に付けておくことでしょうか。
  
 | また、健康な身体を維持するためにはどうすればいいのか、時に考えて
 | みることでしょうか(自らの反省も含めて


 | 思うに、YYさんは、自分が仕事を選ぶという意識があるようですが、
 | 私の経験から思うに、実際には、仕事の方が私を選ぶ
ということです。
 
| 仕事に自分を(私を)選んでもらえなければ、どうにもなりません。

 
 ご多忙中かとは思いますが、また浅薄な学生による退屈な質問かとは思いますが、
 よろしければお時間のある際に簡潔にでもお答え頂けると幸いです。

 | 
頑張ってください。



 
 時折、いくつかメールで質問が寄せられる。
 だが、その多くが、答えようのないモノばかりである。
 名前がない、連絡先がない、題名がないなど。
 そのようなお気軽メールは原則、私の目には触れません。



 「フォトジャーナリスト」 になりたいという人から問い合わせが
 来ることがある。
 また、「どうやったら、なれるのですか」との質問もある。

 ひどい場合は、新聞社(出版社)の就職に失敗したからフリーで
 やりたいというのもある。
 ・・・ 私はあえて、フリーの立場でこの仕事を続けているのを
 理解していないようだ(ま、協調性がないから 勤め人は無理
 というのもあるが)

 以下、2004年2月14日付の
「ジャーナル」に書いた日記を抜
 粋して返事に代えたい。

 ------------------------------------------------------ 
 別件で同じような内容の問い合わせが入っていた。
 歴史は繰り返す(ちょっと大げさやな)というが、ほんまや。
 
 ずいぶん前、この日記でも書いたと思う。
 「簡単な問い合わせには応じません」、と。
 「自分で実際に動いてみて、それでもうまくいかなかったら、
 聞いてください」と書いたと思う。

 で、またここで同じ返事をすることにしよう。

 ウエブを読んでくれていると言うから、読んでくれるだろう。
 そうです、あなたのことです、TSさん、Oさん。

 フォトジャーナリストを目指している・ジャーナリストを目指し
 ている。それは分かりました。でも、なぜ目指しているのか、
 その動機すら書かないで、カメラや学校、発表方法、私の
 職業的動機、果てはフィルムカメラとデジタルカメラの
 どちらがいいですか?
 それを問い合わせてくる。

 それも、名前だけ書いて、全く自己紹介も何もナシで。
 
 以前、「フリーになろうか、会社に勤めようか迷っている」
 という 悩みを一方的に送りつけられたこともあります。
 
自分は具体的に動かずに、「どうしたらいいですか」と。

 
失敗せずに動こうという、果実だけを手に入れようと言う
 安易な考え。
 
 
 そういう問い合わせに、私がなぜ、答えなければならない
 のか。
 分からない。

 そんな人が今後、ジャーナリストと名乗るのも怖い。
 世の中、失敗した人だらけです。傷だらけの人が多いです。
 そんな人びとを対象としようとするのに、自分だけスイスイと
 世の中渡っていこうとする。

 うがった見方をすると、ジャーナリストとは、誰かを利用して、
 他人の不幸を利用して自己実現を目指すということもあり
 得ます。

 自分の生き方ばかりを考えていて、果たして他の人の苦痛や
 苦悩をちゃんと伝えることが出来るのやろうか。
 
 自分の取材や発表を優先して、もっとひどい場合には取材の
 苦労話をメインにして仕事をする人もいるのが現実かな。

 繰り返しになりますが、なぜ、この職業を目指すのか、
 問い合わせの一文にそのヒントでもあれば、私は喜んで
 返事をしたいと思います。
 
 でも、全くそれが感じられない。

 自分の聞きたい都合だけで、問い合わせてくる。
 自分は匿名性の隠れ蓑(名前だけ告げて・・・)

 まあ、私は、「来るの者拒まず、去る者追わず」ですから、
 仕方ないですけど。

 あと、自分より若い人(文面から推察するに)へ、自分が
 経験したことを伝えるという責任がどこかにあると思うから、
 こうやって書き綴りますけど・・・。

 まあ、見知らぬ人にメールを出すのも「ある程度」は勇気は
 要ります。しかし、もっと、問い合わせの内容とその方法を
 考えてください。
 もし、自分が見知らぬ人から、同じような内容のメールを
 もらったとしたら、どうしますか。

 「私は○○○になりたいです。つきましては、そのやり方を
 おしえてください」と。

 もしも、返事をもらおうと思ったら、相手を動かすような
 問い合わせ(書き方)をしてください。

 もし、本当にフォトジャーナリストになりたいなら、ニンゲンを
 相手にする仕事をしようとするなら、もっと考えてください。

 今、間違ってもあとで取り返しがつきます。その方がいい。

 ジャーナリストが対象とする主題は、今後数十年は無くなること
 ありません。間違って間違って、やっと30歳になってから
 スタートをするのも悪くない(私は仕事として29歳スタートです)
  50歳でも、60歳でもいい(まあ、若い方がいいけども)

 本来なら、読み流す問い合わせですが、これからを期待して
 答えたつもりです。

 <こんな質問なら「まだ」答えようがあります。実際に動いて
 いますからね。でも質問は、もっともっと具体的に。>
 -------------------------------------------------------------
 「先日、図書館(本屋)に行って、米国の写真学校関係
 の本を探しました。でも、たくさんあって、どれを選
 んだらいいのか分かりませんでした。とりあえず、何
 冊か手に入れて、毎日目を通しています。どういう基
 準で米国の学校を選びましたか。」
 
 「人の写真を撮りたくて、毎日カメラを持ち歩いている
  のですが、どうしても怖くて、人にカメラを向けるこ
  とができません。どうしたらいいのですか。」
 -------------------------------------------------------
 まあ、そもそも、1回や2回、断られたからって引くようじゃあ、
 この仕事、続けられない。



ジャーナリズムフェスタ2009

 =================
 ジャーナリズムフェスタ2009
 集まれ「独立系」表現者!
 書くぞ 見るぞ 撮るぞ 話すぞ
 
http://daysjapan.jp/jf2009/
 =================

 日 時: 2009 年10 月24 日(土) 10:30 ~ 19:00(開場10:00)
 会 場: 大阪市立住まい情報センター 3階ホール 場所詳細
      大阪市北区天神橋筋6 丁目4-20
      ・地下鉄「天神橋筋六丁目」駅下車3号出口より連絡
      ・JR 環状線「天満」駅から北へ徒歩7分
 定 員: 300 名
 参加協力費: 一般1,000円、学生500円
 入替えなし、入退場自由

 はじまりは、出会いの場をつくること。
 関西をはじめ、各地で活動されているジャーナリストや出版人には
 どのような方がおられるのか。そしてどのように活動しておられるのか。
 お互いが出会い、新しい表現やコミュニケーションのあり方を話し合う
 きっかけをづくりが、ジャーナリズムフェスタ2009 です。

 非東京・独立系として活躍しているジャーナリストや出版人の方に
 お集まりいただき、写真、映像、出版、国際報道をテーマに独立系が
 行う表現と発信のこれからについて、その作品と共に話し合います。

 表現者、ジャーナリストを目指す方やジャーナリズムに意見のある方の
 ご参加をお待ちしています。   

 
 「ジャーナリズムフェスタ2009」 詳細はこちらへ

 ● プログラム(9 月25 日現在)
   都合により変更する場合がありますのでご了承ください。

 (1) 11:00-12:30
     写真で表現する 「写真は終わった? VS今こそ写真だ」 
     小林正典( フォトジャーナリスト)[ 予定]
     国森康弘( フォトジャーナリスト)
     宇田有三( フォトジャーナリスト)
     北田研索(宝塚造形芸術大学教授)

 (2) 13:10-15:10
    「東京一極集中を撃つ 関西独立系ジャーナリズムの復権」 
     原一男( 映画監督/ 大阪シネマ塾)
     杉本真一( 関西テレビ)
     江弘毅(元ミーツ編集長、編集集団140b総監督)
     石丸次郎( アジアプレス)

 (3) 15:20-16:50
     ドキュメンタリーとビデオジャーナリズム 国際報道 
     玉本英子( アジアプレス)
     西谷文和( ジャーナリスト)
     武田倫和( ドキュメンタリー監督)
     石丸次郎( アジアプレス)

 (4) 17:00-18:30
     東京以外の場で書く、本を作る
     後藤正治( ノンフィクション作家)
     粟野仁雄( ノンフィクションライター)
     栗原佳子( ジャーナリスト/ 新聞うずみ火)
     柳原一徳( ジャーナリスト/ みずのわ出版)

 (5) 18:30-19:00
     総括~大交流会ー次のステップに向けて~ 


 ● 集まれ「独立系」表現者!
 「滑稽新聞」や「大阪朝日」「大阪毎日」の時代まで遡らなくとも、
 戦後長く、関西は日本の情報発信の拠点のひとつでありました。
 多くの個性豊かで力のあるライター、作家、写真家、映画人、出版人、
 ジャーナリストたちが、日本全国に向け、世界に向けて独自の表現・
 発信の活動を続けてきました。

 しかし、現状はどうでしょう? 東京一極集中は留まることなく進み、
 東京のメディアばかりが肥大化し、関西はじめ地方の情報を創る力、
 発信する力はどんどん低下していきました。社会を見つめる「眼」が
 複眼・多眼であることで、世界には光の当たらない陰影があり、凹凸
 していることが見えてきます。

 複数の視点があることで、人々は世の中が多様であること、異なる
 価値観が尊重されなければならないことを知ります。しかし現実には、
 日本国内で流通する情報の多くが「東京圏に住む者が、東京圏に住む
 者の感覚や価値判断で生産し、東京圏のメディアを通じて発信」される
 ようになってしまいました。

 残念ながら、日本から多くの「眼」が失われてしまっています。
 また、このように情報発信の中央集権化、マスメディアの肥大化が
 進んだことで、権力を見張るというジャーナリズム本来の役割も弱く
 なってしまいました。

 そして今、マスメディア自体の衰退が急速に進んでいます。
 ジャーナリズムの更なる劣化・弱体化が心配です。これは権力の不正
 腐敗を増長させ、排外主義が跋扈する危険が増し、少数者の声が
 かき消され、格差が広がり、真実が軽視されるということです。
 それは、民主主義の形骸化とファシズムの芽生えに警鐘を鳴らす力が
 弱くなってしまうことを意味します。

 現在がそんな時代であるからこそ、「東京に非ず、東京に在らず、
 マスメディアに属さない」表現者、ジャーナリストたち(ここでは
 「独立系」と称します)の果たすべき役割は、ますます重要性を増して
 いくはずです。

 歴史の闇の中に埋もれたままの事象に光を当て、「無告の民」を
 訪ねて口元にそっと耳を傾ける、こんな困難な仕事に「独立系」は
 ずっと挑んできました。また、マスメディアのジャーナリストたちと
 切磋琢磨、協力連帯し、また時には堕落しないように励まし応援する
 役割もしてきました。

 マスメディアの衰退とジャーナリズムの危機が進行する今こそ、
 私たち非東京の「独立系」は一歩踏ん張って表現と発信を続けて
 いかねばなりません。「独立系」であることの強みと利点を生かし、
 もっとしなやかに、もっとしたたかに生き抜いていかねばなりません。

 ジャーナリズムフェスタ2009は呼びかけの場です。

 誰が、どこで、どんな活動をしているのかを知る、出会いの場に
 しませんか。

 互いに結びついたり、議論をしたり、また新しい表現・発信のあり方、
 協働の可能性を模索したりするきっかけを作るために集まりませんか。

 この場が、若い才能と志が「独立系」に集う良き催合いとなることを
 願ってやみません。

            ジャーナリズムフェスタ2009 実行委員会

 

 ●ジャーナリスト・イエローページ掲載者大募集
  ジャーナリズムを考える新しいネットワークのための
 「ジャーナリスト・イエローページ」

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    主 催:ジャーナリズムフェスタ2009 実行委員会
    協 賛:アジアプレス・インターナショナル、
        自由ジャーナリストクラブ、
        DAYS JAPAN 関西サポーターズクラブ
    後 援:ジャーナリスト・ネット、新聞うずみ火
    協 力:市民社会フォーラム

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        お問合せ : アジアプレス大阪事務所
        Tel(06) 6373-2444 
        e-mail
jf2009@daysjapan.jp
        http://daysjapan.jp/jf2009/
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